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オカヨシガモ 19/01/18 京都市
一昨日のヨシガモとともに観察した。現地に着いて最も先に目についた。遠目に見てオカヨシガモのシルエットに灰の下地に脇に褐色部という配色にまず雄化個体であると思った。パッと見た印象はもちろん♂であるが、少なくとも♂成鳥生殖羽ではない。
水面際の横斑はかなり粗く、波状斑というよりは太い縞模様のような印象に近い。尾筒の黒色部はあまりつやが無く、一部は旧羽のようである。下腹にも太い横斑がみてとれる。IMG_7991-crop
同上
三列風切羽は左右非対称に換羽しているようである。
両側のほぼ同じ部分に褐色の生殖羽ではない羽毛が残っている。さてこれは何か。まずこの個体が♂第一回生殖羽であった場合、旧羽のパターンは生殖羽ではなく非生殖羽のものである。羽縁は太く著しい摩耗がない点や尖りが見られず丸みが強い点などを考えれば幼羽ではないと思われる。従って第一回非生殖羽に何らかの理由で換羽した個体であると考える。
逆に雄化であればこれらは♀非生殖羽に近い雌雄中間の羽毛と言えるだろう。昨年11月に観察した同雄化にも似たパターンの非生殖羽様のものがあった。しかし、本記事の個体は所謂"雄化的"というよりは非生殖羽のそれに近いようにも思う。この辺りは感覚的なものもあると思うのでそれほど参考にはならないかもしれない。

嘴は真っ黒で♀を思わせる要素はない。高度に雄化したオカヨシガモは嘴の色も♂のものになる。カモ識別図鑑に掲載される雄化♀も嘴は黒い。また、当ブログのリンクに貼っている「もやしの勉強机」に登場する同雄化♀も嘴は黒くなっている。上記にもリンクを飛ぶようにしているが、私が11月に観察した雄化は嘴は以前として♀パターンで、印象はかなり異なって見える。逆にその方がわかりやすいのだが・・・
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同上
様々な部位をしっかり観察するというのは毎度心掛けているが、なかなか羽ばたかない事も多い。なんとか待って一瞬飛び立った時に撮影したが、他の個体に気を取られていたため中途半端なものしかない。
下面には幼羽は無い。換羽の早いオカヨシガモはこの時期になると幼羽の残存がかなり少なくなっている個体が多くいる。
雨覆にえんじ色はほぼ見られず、幼羽のパターンとも取れる。
腰はくすんだ灰褐色で幼羽的にも見えるが、♀非生殖羽的にも見える。尾筒を取り巻くように横斑がみられここだけ切り取れば雄化的にも見えなくない。

総合的に見れば♂第一回生殖羽へ移行中と考えるのが妥当ではないかと思う。しかし、上記の点を考えれば雄化の線は全くないというわけではないかもしれない。初見の印象が大変強く、いずれにしてもこうした旧羽の残り方をする個体というのも面白い。
さていかがだろうか?