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オナガガモ×コガモ♂第一回生殖羽 16/03/30 鴨川
今年のうちに絶対に振り返っておきたいカモがいる。
3年前の京都鴨川。河川敷は冬の寒さから一転、暖かい風が吹き始めた。この日は朝から不安定な天候で時折小雨が降った。春の鴨川は一段とカモが多くなり、暖かくなり始めたことを合図に一斉に渡っていく。荒神橋を下流に抜けたあたりから雨は上がり、晴れ間も見え始めた。その荒神橋の下流側、中洲に溜まっていたオナガガモ10羽弱の群れにこの個体は混ざっていた。
一見してオナガガモと何かの雑種だということは分かったが、当時はそこまで真剣にカモを追っていたわけではなく、もう片方の種がなにかわからなかった。知り合い方を頼りに片親はコガモだろうという推測に至ったがそれまではヒドリガモやトモエガモなどを候補にしていたと記憶している。
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同上
下腹部に幼羽のようなものが残っている。脇羽の下方も密に並んだ模様が見えるため幼鳥と思われる。
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同上
このトモエガモパターンの顔模様が強烈な印象を誇っている。この翌日、同じように鴨川をまわったが、再会できなかった。
それから半年後、11月末にある方のブログにこの個体と似たカモの画像がアップされたと連絡をもらった。私としては初めてこうした"顔見知り"のカモができた瞬間だったのである。その後、3シーズンにわたり鴨川に飛来した。今季は残念ながら渡来が途切れてしまったが、この個体を境に個体を詳細に観察することを学んだ。この出会いは大きな転機だったように思う。
2019年3月を最後に見かけなくなったこの個体を今年中に振り返っておきたかった。