アメリカヒドリ♀非生殖羽 21/12/30 草津市
頭部はヒドリガモとは異なる銀灰色、嘴基部には黒線が入っている。
本種の♂では明らかな葡萄色に覆われた体と緑色の頭部が目を引く派手やかな色彩であるものの♀型の個体ではヒドリガモ♀との色彩の差が縮まりやや見つけにくくなる。しかしながら頭部の銀灰色はヒドリガモ♀の淡色とは異なり光沢を伴ったような銀色である。雨覆の白色部は全体的に広めでありヒドリガモ♀とは異なっている。大きなヒドリガモの群れを丁寧に見れば混ざっていることがあるが、雌雄差での発見難度を考慮してもやはり雌は少ない印象を持つ。
また、ヒドリガモとの識別においては腋羽の色が有力である。アメリカヒドリでは純白~褐色部は先端に限定され、ヒドリガモでは全体的に褐色の縞模様に覆われている。♂個体ではヒドリガモとの色彩差が大きいため、腋羽以前に交雑していれば何かしらヒドリガモの特徴が見られることも多いが、♀に関してはその差が少ないため、雨覆や腋羽などより様々な点を確認する必要がある。この個体は残念ながら観察中に散り散りに飛んでしまい押さえきれなかった。恐らくアメリカヒドリとして問題ないと思われるが、腋羽を確認した方がより丁寧に判断することができるはずである。
コメント