IMG_2002
IMG_2028
IMG_2052
IMG_2086
コウライアイサ♂生殖羽 22/01/01 京都府
大きく飛び回る個体に苦戦しながら数時間を要してようやく出会うことができた。新年を迎えるに相応しい種であろう。この鳥を隣府で観察できることは大変嬉しいことである。
旧羽を残していない完全に生殖羽に移行した♂である。カワアイサよりはやや小さくすばしっこく動き回る。ほとんどカワアイサと行動しており周りのカワアイサが飛ぶと一緒について行く。丁度河川の中州に入ることもあり日中は特に観察が難しかったようである。

コウライアイサを初めて見たのは当時11歳だった2006年の今津浜である。湖岸の側道を隔て松林の隙からのぞき込むように観察した。その後、2017年に石田川河口でも観察しているが、荒れた波の中ですぐに見失ってしまった。この年は大変カワアイサが多くその群の中に混ざっていた。この鳥は大変思い出深い鳥でもある。今まで観察してきた環境はどちらかと言えば異質な環境だったと言える。この鳥はやはり渓流の鳥であり、越冬地において大きな水域にいるというよりは狭い山間にいる印象が強い。

今年観察した環境は─日が立つごとに平地に追いやられたものの・・・この元日に観察した環境は、両脇を山肌が張り出し、まさに堰を切る急流を食らうように抵抗する姿であった。これこそがコウライアイサに相応しい姿なのだろう。図鑑通りの姿に大変感動を覚えたのであるが、コウライアイサと言えば記憶に浮かぶのは幾年も前の松林の姿であった。図鑑で見た派手に垂れ下がるモヒカン頭に衝撃を受けたそのものが目の前にいる感動は記憶の片隅では無く、数日前の記憶のように再び湧き上がってくる。幼い頃の感動に勝るものはないのか?経験を積むごとに感動への反応が失われているとすれば少し寂しいような気もする。帰路につきながらなんとなくそんなことが浮かんだ。